北マケドニア共和国ワイン

北マケドニア共和国

 1.北マケドニア(旧ユーゴスラビア)ワインについて

マケドニア共和国のワイン製造は紀元前のピリッポス2世とその息子アレクサンドロス大王の時代にまで遡ります。
オスマン帝国時代になると各地の修道院でワインが作られるようになり、醸造技術もさらに洗練されました。
ヨーロッパのワイン造りは7000年以上の長い歴史がありますが、ギリシャ北部に位置する北マケドニア共和国では、7000年前 – つまりブドウ栽培の始まる以前からワインが造られていました。

現代のワイン醸造の土台を造ったギリシャ人は、その後 紀元前600年にマルセイユに上陸し、フランスで最初のワインを造ったといわれています。最近では近代的な醸造技術を取り入れた新しいスタイルのワインが誕生し、注目を集めています。
日本では馴染みの薄い北マケドニアワインですが、国内には現在88か所のワイン醸造所があり、年間9千万リットルのワインが生産されています。

<ユニークな風土による生産>

マケドニアは南から地中海性気候と北からの大陸性気候が交わる場所であり、情熱的で複雑で果物のアロマが豊富なワインを作るのに非常に適しています。

マケドニアのティクベスバレー(Tikves Valley)は、アメリカのナパバレー、フランスのボルドー、イタリアのトスカーナと同じ緯度に沿って広がっています。

  2.マケドニア(旧ユーゴスラビア)の食文化について

バルカン半島の他の諸国と同様、かつての占領国であるトルコや、ギリシャ料理の影響を強く受けており、肉料理が中心です。たとえばムサカ(なすとじゃがいもとひき肉の重ね焼き)や、ケバブ、ブレク(チーズなどを挟んだパイの様な料理)、タラトゥル(刻んだキュウリ入りのヨーグルトスープ)、そして塩気のある白チーズ(ギリシャやトルコのフェタチーズ。羊乳であることが多い)をたっぷり乗せたショプスカ・サラダ(Shopska Salad)などです。 白いんげん豆とドライトマトを煮込んだタフチェグラフチェも、中東の面影が残る料理です。 例外的に、湖のあるアルバニア国境付近では、マスの料理が多く食べられています。

マケドニアを代表する食べ物といえば、プリスカヴィッツァというバルカン風ハンバーガー。肉厚のパテをパンに挟み、中に玉ねぎやキュウリ、トマトにキャベツと野菜を盛りだくさん入れ、場所によってはセルフで野菜を入れられるところや、ソースが何種類も置いてあるところもあり、ボリュームたっぷりな庶民食です。

街中ではイタリア料理店も多く見受けられ、マケドニア人も好んで食します。 

Stobi Winery

 1.STOBIワイナリーとは?

マケドニアの中心に位置する有名なワイン生産地域であるTikves (Tick-Vesh) ワイン地区(地域)にあります。

ブドウ農園は、フランスのボルドー地域とカリフォルニアのナパ・バレーと同じ緯度に沿って広がっています。

この地域は10,000ヘクタールの領域をカバーし、1,600k㎡のブドウ栽培に適した地層を持っており、Tikvesはマケドニア国全体のブドウ生産のおよそ1/3をカバーしています。

太陽がさんさんと降り注ぐ日が年間270日もあるブドウ栽培に大変適した地域であり、地中海と大陸に面し、暑い夏と穏やかな冬で雨量が少なく、気候に恵まれています。

Stobiワイナリーは、2,000万ユーロ(30億円)以上の投資による最新のワイン技術を駆使した新しいワイン醸造所です。

ワイナリーの年間生産量は現在4,500,000リットル、更に2,000,000リットル生産増量の余地があります。

ワイン生産は自社のブドウ農園(600ヘクタール)だけで育てた葡萄を使用しています。

StobiワイナリーのStobiは「大黒柱」を意味し、古くからこの地域の呼称となっていました。またStobiワイナリーの象徴であるクジャクは紀元前には既にこの地に生息しており、蛇を食することから悪を滅ぼす女神として古代より親しまれてきました。教会の壁画にはクジャクのモザイク画が多く描かれており、またマケドニアの10デナール紙幣にもクジャクが使用されていました。

15世紀には奴隷を生贄にする代わりにクジャクを差し出した文献もあることから、平和や平穏主義、人類擁護などの意も含まれています。

 2.ブドウの品種は?

Chardonnay, Muscat Ottonel, Cabernet Sauvignon, Cabernet Franc, Merlot, Petit Verdot, Shiraz (Syrah), Rhine Riesling, Italian Riesling, Pinot Noir 並びにこの地域で育つ品種である Vranec, Zilavka, Zupljanka, Rkaciteli, Temjanika 等。

 3.ブドウ農園から瓶詰まで完全に品質管理された生産工程

Tikveš  Winery

 1.TIKVESワイナリーとは?

TIKVESワイナリーの歴史は1885年に始まり130年前に遡ります。マケドニア最大かつ最古であり、バルカン諸国の中でも最も古いワイナリーの一つです。

最初に生産されたのは1912年で、現在ではマケドニア国ワイン輸出額に占める割合の約40%を占めています。

TIKVESが醸造するワインは、ロバート・パーカー(Robert Parker)氏発行の”Wine Advocate”において『2010年度世界で最も優れたワインコンサルタント』に命名されたフィリッペ・キャンビエ(Phillipe Cambie)氏が手掛けており、世界的なワイン醸造の知識とブレンド技術によってバラエティに富んだワインを産出しています。

 2.ワイン生産の新しい時代 ~Macedonia's Finest~

『革新こそ我々の力であり、世界市場は我々の挑戦である。世界中の消費者に我々のテロワールが本物である事を知って頂きたい。』 という強い思いから、TIKVESワイナリーは消費者のニーズに合った新しい風合いを作りだす実験を日々積み重ねています。

それぞれの革新は国産及び世界的なブドウ品種のコンビネーションから生まれています。 TIKVESワイナリーではワイン醸造においてもマケドニア古来からの伝統に固執することなく、世界中の経験を積極的に取り入れることで "Macedonia's Finest"を追及しています。

また最新技術導入の為、およそ30百万ユーロを投資して生産工程を全て改善しました。 TIKVES醸造所はワイン一本当たりの二酸化炭素排出量がヨーロッパで2番目に少ない近代的で革新的な醸造所です。

これにより瓶内酸素量を減らし、世界トップクラスの白ワインの生産が可能となりました。

その他、リサイクルや節電、二酸化炭素削減に向けた"環境にも優しいテクノロジー"を駆使しています。

 3.Success & Awards

近代化及び生産工程の改善は数々の成功を生み出しています。

今や50種以上のワインを生産しているTIKVESワイナリーでは、2013年だけでも45の賞を受賞。 その内、10のゴールドメダルはイギリス、フランス、ドイツの世界的に有名なコンクールにて受賞しました。 2014年では更に増え、約50近くを受賞するという栄誉に輝いております。

また、ロバートパーカー氏の”Wine Advocate”に於いては2012年度には”Bela Voda 2010”(赤)は94ポイントでしたが、2014年度には更に評価が上がり”Bela Voda 2012”は95ポイントを獲得するまでに至りました。

その他、7種のワインがそれぞれ90ポイント以上を獲得し、TIKVESワイナリーは南東ヨーロッパにおいてパーカーポイント93点、94点、95点の高得点を獲得している唯一のワイナリーです。